
ロシアめぐる元独首相の発言 「不快極まる」とゼレンスキー氏 2022年8月5日
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は3日、
欧州諸国の元首脳がロシアのために働くのは「不快極まる」と非難した。ドイツの
ゲアハルト・シュレーダー(Gerhard Schroeder)元首相(78)が、ロシアは戦争の
「交渉による解決」を望んでいると発言したことに言及したものとみられる。
アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)前首相の前任者で、1998~2005年に首相
を務めたシュレーダー氏はドイツメディアのインタビューに応じ、先週モスクワで
ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と面会したことに言及。
「良い知らせは、クレムリン(ロシア大統領府、Kremlin)が交渉による解決を
望んでいることだ」と発言した。
さらに、ロシアからドイツに天然ガスを送るパイプライン「ノルドストリーム2
(Nord Stream 2)」の稼働を再考するようドイツ政府に提案。同パイプラインは
昨年9月に完成したが、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ドイツ政府は稼働
に向けた手続きを停止していた。
ロシアがウクライナ侵攻を開始して以降、ドイツではシュレーダー氏に対し、プーチン
氏や同国の大手エネルギー企業との関係を断つよう求める圧力が強まっている。
独議会は5月、シュレーダー氏から事務所や職員の人件費の支給などの特権を
剥奪することを決定した。