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山上被告、かすれた声で供述　安倍昭恵さん、硬い表情崩さず

　証言台に向き合う直前、安倍昭恵さんに深く頭を下げた。3日、奈良地裁の法廷で初めて安倍晋三元首相の遺族に直面した山上徹也被告 (45)。安倍氏が標的として「頭の片隅に常にあった」とかすれた声で語った。昭恵さんは口を結んだままじっと見つめ、硬い表情を崩さなかった。
　午後1時10分、被告や裁判員、傍聴人がそろった法廷に、黒のスーツを着た昭恵さんが代理人弁護士と共に姿を見せた。中央の証言台を挟み、被告と向き合う位置に着席。被告は無表情のまま手元を眺め、視線が交わることはなかった。
　4日目となった被告人質問では、襲撃対象はあくまで世界平和統一家庭連合 (旧統一教会) だったと主張し、元首相は「本筋ではなかった」とした。これを受け検察官は「気持ちの整理をするためにしたことはあるか」と質問。数秒間沈黙した被告は「覚えてない」と応じた。
　検察官は、元首相の治療費を負担しておらず、遺族への謝罪が済んでいないのに、妹に結婚祝いを渡したと指摘。裁判官が弁済について尋ねると、「明日そういった話をするつもりではあります」と応じた。

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